急がないと大変なことに!期限に注意が必要な遺産相続手続き
家族が亡くなると、悲しみに暮れる中様々な手続きに追われることになります。その中でも期限に注意をしなければならない遺産相続手続きの手順を、ファイナンシャルプランナーがわかりやすく説明します!
家族が亡くなると、遺族の方は悲しみに暮れる中様々な手続きに追われることになります。
その手続きの一つが遺産相続です。
遺産相続手続きには様々な時効…つまり期限があります。
この期限を過ぎてしまうと、受け取れるはずのものが受け取れなくなったり、望んでいないのに借金を受け継いでしまったり、本来支払わなくていい税金を支払わなければならなくなったりします。
そう、様々な「権利」を失ってしまうのですよね。
こうした手続きは、事前に知っておかなければいざという時に落ち着いて行うことが難しいです。
今回はそんな「いざという時」に困らないため、ファイナンシャルプランナーである私が期限に注意が必要な遺産相続手続きを紹介します。
遺産相続手続きは期限に注意しましょう
遺産相続手続きに期限のあるものは多くありますが、1年以内に行わなければならないものを期限が早いものから順に紹介していきます。
①家庭裁判所にて遺言書を検認(死亡届提出後すぐ)
死亡届の提出=相続の発生だと思ってください。
まずは死亡届を提出し相続が発生してすぐ、家庭裁判所にて遺言書の検認を行いましょう!
遺言書が自宅や金庫などに保管されていた場合、その遺言書の内容が偽造・変造されないために現時点での内容を明確にする作業を検認といいます。
検認がされていない遺言書を勝手に開封したり、内容に則り相続を開始した場合5万円以下の過料を支払わなければなりません。
また遺言書を偽造・変造・隠蔽・処分した場合、遺産を相続する権利が剥奪されるので注意しましょう。
遺言書(公正証書による遺言を除く。)の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。また,封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっています。
検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
出典:裁判所|遺言書の検認
この作業を行なって、ようやく相続手続きがスタートします。
なお、遺言書が「遺言公正証書」である場合は検認は不要で、そのまま相続手続きに進むことができます。
②相続放棄(相続開始から3ヶ月以内)
3ヶ月以内に行わなければならない、遺族(相続人)にとって重要な手続きがあります。
それが相続放棄です。
遺産相続といえば財産を受け継いでプラスになるイメージが強いですが、相続の対象に借金も含まれているのです。
そのため、財産より借金が多い場合は相続をしてしまうことで遺族がその借金を背負うことになります。
そうならないために、一切の相続を放棄する手続きが「相続放棄」になります。
ただ、相続放棄をするとマイナスの財産だけでなくプラスの財産も受け取れなくなるので注意が必要です。
また、借金がどの程度あるかはっきりせずプラスになる可能性もある場合は、プラスの財産の範囲内でしか借金を相続せず、受け継いだプラスの財産から借金を返済するという方法もあります。
この場合相続人の財産からは借金を返済する必要がなく、プラスの財産より借金が少なければ残った財産をそのまま相続することができます。
これを「限定承認」といいます。
相続が開始した場合,相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。
相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認
相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄
被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認
相続人が,2の相続放棄又は3の限定承認をするには,家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。
出典:裁判所|相続の放棄の申述
しかし、借金の額の調査に時間がかかり3ヶ月以内に決められないこともありますよね。
そんな時は家庭裁判所で手続きを行うことで期限を伸長することができます。
相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月の熟慮期間内に,単純承認,限定承認又は相続放棄をしなければなりません。もっとも,この熟慮期間内に相続人が相続財産の状況を調査しても,なお,単純承認,限定承認又は相続放棄のいずれをするかを決定できない場合には,家庭裁判所は,申立てにより,この3か月の熟慮期間を伸長することができます。
また特別な事情があれば3ヶ月を過ぎても相続放棄をすることが可能です。
次のような場合が、その特別な事情にあたります。
・被相続人(亡くなった方)に借金があることを知らなかった
・被相続人が亡くなったことを知らなかった
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関西在住、ファイナンシャルプランナーでライターの3児の母、トツカマコです。発達障害の長男(10歳)を筆頭に一番下は0歳の歳の差きょうだいの子育て真っ最中。日々の生活を通して得た知識を記事にしていきます!
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