腎盂腎炎って何?

腎盂腎炎とは、腎臓に起こる、細菌による感染症のこと。
細菌が、尿道から膀胱、さらに尿管から腎盂へと、尿の通り道をさかのぼって感染します。
尿には、本来、細菌は含まれていませんが、肛門や外陰部に常在している病原菌(主に大腸菌)が、外尿道口から侵入してしまうのです。

なぜ、女性に多いの?

女性の場合、外尿道口と膣口、肛門が近い位置に並んでいるため、細菌が侵入しやすい構造になっています。
さらに、男性の尿道が16~20cmあるのに対して、女性の尿道は3~4cmしかないため、尿道口から侵入した細菌が、すぐに膀胱に達してしまうのです。

腎盂腎炎の症状

腎盂腎炎は、膀胱炎から進行することがほとんどです。
膀胱炎の症状は、頻尿と尿の濁り、排尿痛、残尿感など。

その状態が2~3日続いて、急性の腎盂腎炎になると、38.5度以上の発熱、悪寒、血尿が見られ、下腹部や背中、脇腹が痛みます。
特に、肋骨の下辺りの脇腹を叩くと、響くような痛みを感じます。
通常、膀胱炎や尿道炎では、高熱は出ることはないので、一つのサインになります。

腎盂腎炎の治療方法

急性で単純性の場合は、抗生物質による、薬物療法が行われます。
軽症であれば、通院による治療も可能ですが、重症化すると入院が必要になります。
原因菌に効力のある抗菌薬を使用すれば、2~3日で解熱し、1週間以内に、症状は改善します。
また、安静を心がけ、十分な水分補給をして、尿量を増やすことも重要です。

症状が治まっても、細菌が消滅していないケースもあるので、2週間以上は薬を服用する必要があります。
きちんと治しておかないと、すぐに再発してしまう危険があります。

複雑性の腎盂腎炎

腎盂や尿路のどこかに異常や結石があると、感染を繰り返すことがあります。
このように、感染をまねく基礎疾患がある場合を、複雑性の腎盂腎炎と言い、原因となる疾患を特定するために、検査が必要となります。

腎盂腎炎・膀胱炎を予防するために

腎盂腎炎は、膀胱炎から進行する場合がほとんど。
膀胱炎を予防することが、腎盂腎炎を予防することにもなります。
女性が膀胱炎になりやすいのは、性交渉を持ち始めた頃、妊娠・出産時、更年期。
膀胱炎は習慣になりやすいので、普段から予防を心がけることが重要です。

心がけたいこと

①排便後、前から後ろに拭く
②ナプキンやおりものシートは、こまめに交換する
③トイレを我慢しない
④下半身を冷やさない
⑤ストレスや疲れをためない
⑥性交渉の前にはシャワーを浴び、体を清潔にして、手もよく洗う
⑦水分をこまめにとる(水分をこまめにとることで、膀胱の細菌が尿とともに洗い流される)



関連するキーワード

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

更新情報をtwitterで受け取る

更新情報をpush通知で受け取る

関連するまとめ

【寒くなってきたらご用心!】中耳炎になったときの対処法

耳の中が突然痛くなる中耳炎。くせになると風邪を引くたびになってしまうことも。まだ言葉を上手に話せない小さな赤…

nana2boys / 9707 view

子供の病気として急増している偏頭痛。大人とは違う症状と原因

偏頭痛は大人だけの病気ではないと知っていましたか?実は5歳前後のこどもでもかかるのです。最近増えているといわ…

sumomomama / 5897 view

【鼻かぜ?】もしかして、うちのこ花粉症!?

花粉が飛ぶと鼻がムズムズ・・・大人だけでなく子どもも辛い花粉症についてまとめます。

ikanago / 9858 view

ハウスダストアレルギーに効果抜群!おすすめ防ダニ布団カバー

くしゃみが止まらない、鼻水が出るなどの症状に苦しめられるハウスダストアレルギー。症状を改善するためには、布団…

myia / 12288 view

年齢なんて関係ない!放っておくと失明も?怖~い眼の病気

眼の病気=白内障や緑内障だけではありません。日常生活の中にも失明の危険が潜んでいたとしたら…?老若男女関係な…

tokakko / 6594 view

多くの方が悩んでいる花粉症の症状!おすすめの市販薬5選

花粉が飛ぶ季節になると、鼻水や鼻づまり・くしゃみなどの症状に悩まされる方は多いのではないでしょうか?今回はそ…

kaeru_5 / 4744 view

鼻水・鼻づまりがツライ!おすすめの花粉症対策マスク5選

花粉症を軽減するにはマスクが必須アイテムですが、どんなマスクがいいのか悩んでしまいます。フィルターの花粉ブロ…

berry / 5458 view

【炭水化物抜きダイエット】ってどうなの?自分に合うか考えて!

テレビやネット、雑誌でも特集されている炭水化物抜きダイエット。ストイックになりすぎるのは健康にも良くないかも…

ひらり / 5013 view

経産婦のママこそ気をつけたい子宮筋腫、漢方は使えるの?

子宮筋腫は良く聞く病名でも、まさか自分がと思っている方も多いのではないでしょうか?今回は東洋医学の漢方が子宮…

ReilyLady / 5316 view

健康な身体を手に入れるために!取り入れて欲しい食品5選

毎日食べる食事にどのくらい気を遣っていますか?食べているもので作られている私たちの身体。せっかくなら健康に良…

myia / 8382 view

tikatika

二人姉妹の母です。
自分が経験したことを発信しつつ、みなさんからいろいろなことを吸収できれば、と思っています!

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

Facebookページ

フォローして新情報をチェック

twitterをフォロー

フォローして新情報をチェック