介護保険には、公的と民間がある

介護保険とは、一般的に「介護を必要とする高齢者の治療や介護等にかかる負担(費用、家族介助、福祉施設利用料等)を社会全体で支援する為の保険制度」とされ、民間の制度もあります。
以下より、簡単にご説明したいと思います。

●公的介護保険

公的介護保険は、40歳になると加入している健康保険から保険料が徴収され、自主的な手続きなく公的介護保険の被保険者となります。
65歳を越えるとその制限はなくなり、全員が被保険者として扱われます。(しかし、生活保護受給者や医療保険の支払が不可能な人は加入できない仕組みです。)

●民間介護保険

民間介護保険は、公的制度のようなシニア世代だけを対象にしたものではなく、保険会社の規定に合えば誰でも加入できます。
ただし、保険料は、加入する保険商品やプラン、年齢や契約の仕方などによって変動します。

●結局、公的介護保険と民間介護保険の違いは?

公的介護保険と民間介護保険の違いは、大きく分けると以下の3点がポイントトとなります。

①支給されるものが違う。
公的介護保険は、介護サービスそのものが提供されますが、民間介護保険は、保険金という形で、現金支給となります。

②加入する年齢が違う。
公的介護保険は、40歳になったら強制加入です。現在、40歳以上の方は、お給料明細から天引きされていらっしゃることかと存じます。一方、民間介護保険は、各保険会社にもよりますが、任意加入で、20歳から加入できる保険もあります。

③認定基準が違う。
公的介護保険は、国で定めた要介護認定という基準(要支援~要介護までで7段階まであります。詳しくは、以下でご説明します。)がありますが、民間介護保険は、各保険会社によって基準を定めており、場合によっては、国の基準より厳しいケースもあります。

民間介護保険については、各保険会社でのサービスの違い等がありますので、ここからは主に公的介護保険を中心に進めていきます。

介護サービス(公的)は、どういう状態になったら利用できるの?

まず、ご家族でどんな介護サービスが必要な状態かを考えてみましょう。
例えば、仮にお母様の足腰が弱ってしまっている状態で、買い物や家事が難しくなってきたと仮定しましょう。ご家族がそのサポートを全面的に行えれば良いのですが、なかなか全面的には難しいのが現状でもあります。

そこで、公的介護保険で介護サービスを利用を申請します。
各市町村の地域支援センターにて、介護を受ける本人だけでなく、ご本人の家族でも申請手続きを行う事が出来ます。簡単に、以下の申請手続きの手順を見ていきたいと思います。

要介護認定の手続きの流れ

要介護認定の手続きの流れ

左記の図に沿ってご説明しますと、

①電話等で相談及び②要介護認定の申請…
「①電話等で相談」と「②要介護認定の申請」を、直接窓口で同時に行うことも可能です。しかし、お住まいの場所によっては、各市町村窓口が遠い方もいらっしゃるかと思いますので、一度、お電話で相談されるのが良いと思います。

③主治医意見書…
こちらは、基本的には、各市町村の職員さんが行います。筆者の場合、両親の通院日が近かったので、職員さんより意見書のフォーマットを頂き、かかりつけ医に「介護申請に必要なので」と手渡して提出を依頼しました。

④訪問調査…この時に重要なのは、本人だけでなく家族の同席が必要な事です。
また、訪問調査は、基本的に平日で行うケースが多いです。予め平日で対応できるスケジュールを確認しておくと良いでしょう。

訪問目的としては、実際の状況、介護がどの程度必要なのか等を社会福祉士の職員さん、ケアマネーシャーが来訪調査します。

訪問調査時間は、平均的には30分程度と言われていますが、あくまでも目安で、それ以上かかることもあります。(筆者の場合は1時間半位かかりました。)

⑤要介護度の決定…訪問調査が終わると、各市町村で認定会議を行い、要介護認定が決定します。(要介護認定については、以下で説明します。)

⑥認定結果通知…介護を受けられるご本人の住所に、郵送(封書)で届きます。

⑦要介護・要支援と認定及び⑧非該当と認定…認定結果により、ケアマネーシャーと相談しながら介護サービス内容(これを「ケアプランの作成」といいます。)を決めていきます。ケアマネージャーさんがケアプランを作成し、このケアプランに沿って、介護サービスの提供が開始されます。

ただし、要介護認定には「自立」という区分もあります。

要介護状態区分の非該当とは

要介護状態区分の非該当とは

実は、要支援の前段階に「自立」という区分があり、「非該当」として介護保険制度のサービスは受けられません。
しかし、自立した生活の維持支援として福祉・保険サービスが利用できますので、詳しくは各市町村窓口でご確認ください。

要介護(要支援)認定とはなに?

要介護(要支援)認定とは、日常生活を送る上でどの程度の介護や支援が必要なのかを示す基準で、これを要介護認定区分といいます。

この要介護認定区分は、介護保険制度の運用の為に、介護保険法(第27条)により定められた基準で、「要支援」から「要介護」までの7段階あります。この要介護認定区分に応じて、支給限度額も定められています。

以下に、要介護認定区分と支給限度額を記載しておきたいと思います。

要介護認定区分と支給限度額

要介護認定区分と支給限度額

左記の区分が要介護度といわれ、その必要度によって受けられるサービス内容も変わってきます。

また、各認定区分において1か月間での支給限度額があり、これを超えてしまう場合はその超えた分は原則全額自己負担となります。

支給限度額を超えたら、必ず全額負担しなくてはならないの?



関連するキーワード

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

更新情報をtwitterで受け取る

更新情報をpush通知で受け取る

関連するまとめ

【苦手な姑&舅】やり過ごし方まとめ

結婚すると始まる姑や舅とのお付き合い。悪い人ではないのだけど、ちょっと苦手。という人も多いですよね。ここでは…

nana2boys / 13149 view

【これって実家依存症?!】イマ増えている実家離れができない妻とは?

イマ実家依存症の人が増えているといわれています。実家依存症とは結婚後も実家とべったり過ごし、夫や妻といるより…

nana2boys / 26412 view

要介護状態になったら、まずは申請!!要介護認定の申請情報まとめ

両親の病気による要介護認定を考えるのであれば、申請書類を出す機関などを知っておくと便利です。また要介護認定に…

HF-LIFE / 4789 view

脳トレの効果あり!高齢者に塗り絵をオススメする理由

塗り絵を子どもの遊びと思っている人、いませんか? しかし、最近では大人向けの塗り絵があり、本格的に始める人が…

Grolia63 / 4500 view

【実親・義両親】結婚〜子育て中、互いの両親が顔を合わせる機会まとめ

結婚の顔合わせを皮切りに結婚式で終わりと思われた双方の親同士のご対面。実は結婚後、特に子どもが生まれるとその…

nana2boys / 9871 view

お子さんが産まれて変わる、義実家との上手な付き合い方!

女性は産後義両親が苦手になってしまう…なんていう話も耳にしますが、色々と助けてもらったり教えてもらうことも多…

akimama / 8925 view

【介護保険】何がどうなっているの?介護保険の基本まとめ

40歳になると支払いが始まり、そろそろ親も介護保険を使うようになる時期。でも、具体的に何がどうなっているのか…

nana2boys / 6650 view

将来のために知ったおきたい!!寝たきりの要介護者が抱える悩みまとめ

今までとても元気だった両親が、急に体調を崩したかと思えば、そのまま要介護の状態になってしまうこともあります。…

HF-LIFE / 4658 view

「親が突然の入院!?」いざという時あわてない準備5つ

「うちの親はまだ元気だから大丈夫!」と思っていませんか?子育て世代こそ準備をしておかないと、子の世話&親の看…

ひらり / 4750 view

その接し方は間違っている?!認知症の方には普段の接し方は禁物

家族に認知症の方がいる場合、介護するならいつも通りの接し方をするのは間違いです。家族だからつい気兼ねなくいっ…

Freat52 / 4162 view

ささみん

現在、小学1年生の息子と主人と3人家族で暮らしています。
両親も健在なのですが、高齢でもあるため、両親夫婦は我が家からも行きやすい場所の老人ホームで暮らしています。
なので、介護の事、家計の事、趣味の事など、興味のある分野は盛り沢山です。
どうぞ宜しくお願いします。

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

Facebookページ

フォローして新情報をチェック

twitterをフォロー

フォローして新情報をチェック