平成28年10月からB型肝炎の予防接種が定期接種となりました。
しかし、公費で接種できるのは平成28年4月1日以降に生まれた0歳児の赤ちゃんのみです。
確か以前には、親族や近い人にB型肝炎の感染者がいなければ打たなくてもいい、というような認識だったのに、今は新生児なら公費の接種になっている…。

じゃあ、うちの子も新生児の時に打っておいたほうがよかったの?今からでも打つ方がいいの?と公費の対象外となっている幼児や小学生のママたちは、B型肝炎の予防接種を受けた方がいいのかどうか悩んでいる方も多いようです。

そこで、B型肝炎ワクチンはなぜ赤ちゃんだけが公費の接種となったのか、そして公費対象者以外も受けておいた方がいい予防接種なのか、そのあたりを詳しく説明していきたいと思います。

B型肝炎ってどんな病気?

まず、B型肝炎とはどのような病気なのか見ていきましょう。

B型肝炎ウイルスの感染者は、日本国内で約100万人と推定されています。
感染後の経過は様々ですが、3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態、持続感染)になりやすく、キャリアになると感染源となり、また慢性肝炎になることがあります。

慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。
キャリアは非感染者に比べ肝細胞癌になる危険性が200倍以上になるともいわれます。

B型肝炎のウイルスに感染すると、大人は通常急性肝炎を発症しますが、子供の場合は何も症状が出ないことが多くあります。
この状態がキャリア(持続感染)と呼ばれ、肝細胞内に潜伏しているウイルスが少しずつ健康を脅かしていくのです。

肝臓はもともと痛みを感じにくい臓器なので、気付いた時にはもう遅い、という怖いパターンに陥りがちです。

キャリアになってしまうと、肝硬変から肝臓がんへと移行する可能性が極めて高くなります。

肝臓がんはがんの中でも死亡率が高く、がん全体の死亡者のうち男性で14.3%(第3位)、女性で8.6%(第4位)を占めています。その割合は、この30年で3倍にもなり、今後も増加が予想されています。

B型肝炎ワクチンは、キャリア化を防ぎ、将来、肝臓がんから赤ちゃんの命を守る「がん予防ワクチン」です。

キャリアになる確率

さて、ではキャリアになる確率とはどれくらいなのでしょうか?

産まれて間もないほど、キャリアになる確率が高くなります。
新生児では80%以上ですが、1歳児になると50%、2歳児は20%、5歳児は5%と成長するにつれて確率はどんどん低くなります。

キャリアになることで肝臓がんのリスクが高まるということですから、新生児に対してのB型肝炎予防接種が定期接種になったのはこういった背景があるんですね。

それでは、キャリアになる確率が低くなる新生児以降、定期接種が適用されない年代になってしまったら予防接種を受けなくても大丈夫ということなんでしょうか?
いいえ、そうではないんです。
その理由を見ていきましょう。

どうやってうつる病気なの?

B型肝炎の感染経路は大きく分けて2つと考えられています。
まずは、キャリアの母親から生まれた子供へと感染する垂直感染(母子感染)。
そしてそれ以外の水平感染です。

母子感染に関しては、現在は母子感染防止策として、生まれてすぐに赤ちゃんにワクチンを接種することでほとんどの感染を防ぐことができています。

次に水平感染ですが、これは母親以外の周りから感染するケースです。
以前には注射器やピアスの穴開け器の使いまわしなどで感染することもありましたが、現在ではこれらはほとんどなくなっているようで、ほとんどが性交渉による感染となっています。
ですので、水平感染においては血液や精液によって感染すると思われていたのです。

しかしそんな中、2002年に保育園でのB型肝炎集団感染が判明したのです。

母子感染、性交渉だけじゃない!

従来B型肝炎は血液や精液で感染すると考えられて来ましたが,唾液,汗,涙でも感染します.
ウイルス排泄が多い人ではB型肝炎ウイルスDNAが尿で73%,唾液で92%,涙で100%,汗で100%証明されます.

B型肝炎は輸血,針刺し事故,性交渉などの特殊な状況下でのみ感染が成立するわけではなく,佐賀県保育園の集団感染事例のように一般生活でも感染します.

最近になって、B型肝炎は保育園などの集団生活において感染することがあり得るということがわかってきたのです。
しかも恐ろしいことに、従来日本に存在していたB型肝炎のウイルスではない、外国から入って来たキャリア化しやすいタイプのウイルスが広がってきているのです。



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