待機児童数は中々改善しない

待機児童とは子育て中の保護者が保育所等に入所申請をしているのに入所出来ない状態にある児童の事を言います。2016年2月に「保育園落ちた日本死ね」の投稿が紹介されたことで広く問題視されていますが、実際にはここ数年で始まった問題ではありません。実は20年も前から問題視されています。

2001年からほぼ横ばい

待機児童数のカウントが開始されたのは1995年で実は20年以上前から始まっています。そして2001年以降で見ると多少の増減はありますがほぼ横ばいを推移しており、2015年時点でも23,167人の待機児童が存在します。

*2001年以降と記述しましたが、このとき待機児童の定義を変更。2000年と同様の方式だと35,144人だったのが新定義だと21,201人に変更となりました。2000年時点では32,933人だったため改善されたとは言い難いとも考えられます。

国は2001年、待機児童の定義を変えた。自治体が独自に助成する「認可外保育施設」を利用しながら待機している児童らは、待機児童から除いてよいことになった。厚労省は「自治体が独自の基準を定めて適切な保育をしているため」としている。定義が変わった01年、旧定義でみれば3万5144人(4月1日時点)だった待機児童数は、新定義で2万1201人に「減少」した。

保育園/保育士が不足している

まず前提として保育園が少ないというのが考えられます。待機児童が多い=需要が追い付いていないですから、経営という視点で考えるとメリットが大きいように思えます。しかし保育園には制度上様々な制約があり、例えば認可保育所だと子供3人に1人の保育士が必要です。

しかし保育士自体が足りていないのが現状です。子供の命を預かるため責任重大である反面、賃金は安く拘束時間が長いというデメリットが存在するため辞める人も多く手が足りないのが現状です。詳細については上記2つのリンク先もご確認頂ければと思いますが、課題は山積みと言えるのではないでしょうか?

待機児童を減らす対策とは?

政府も対策に動いていますが、まだまだ課題は山積みです。2016年3月28日に一先ず保育士の規制緩和(前の項目で挙げた、子供3人に1人の保育士が必要といった人数制限の見直し等)という対策を打ち出しましたが、結果的に子供一人一人に対する質が低下するという懸念もあります。

前提条件として保育士の人数が少ないことが大きな問題ですが、理由としては他の業種に比べて低賃金であるというのも大きいのではないでしょうか?この部分を少しでも改善出来れば保育士の人数が増えて一人一人の工数が減るとも考えられます。

厚労省「賃金構造基本統計調査」(2014年)によれば、全産業の平均月給は29万9600円の一方、保育士の月給は21万3000円に留まり、約8万6000円も低い。これをもし、月5万円アップを図っても、単純計算でも予算は2400億円で済む。保育士が増えて、待機児童も解消され、親も働くことができれば、決して大きな予算ではない。政治が判断すれば、すぐにでも実現できることだ。

地域住民との協調という課題も

いざ保育所を建てようとしても周辺住民からの反対で開園出来なかったというケースも見られます。子供の声がうるさい、という理由で反対する人に対して苦情を述べる人もいらっしゃいますが、やはり苦手なものは苦手というのは仕方ない部分でもあるかと思います。

しかし保育園と保育士の確保は必要なことですから、子供の声がうるさいなら事前に保育園側、あるいは国自体が防音対策を施すべきではないでしょうか?うるさいかもしれないが我慢しろ、というのは後々大きな問題に発展する恐れがありますから、しっかりと考えるべき課題と思われます。



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いっち

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