学資保険とは

学資保険とは主に子供の教育資金を補助することを目的に、保険会社と契約して毎月保険料を払う制度です。毎月滞りなく支払うことにより、祝い金や満期保険金として受け取ることが出来ます。

子供が生まれたら、とりあえず学資保険にと思っている世帯が少なからずいらっしゃるようです。しかし本当に学資保険の内容について把握しているでしょうか?一度加入すると安易に解約できないので、しっかり契約内容を理解しましょう。

デメリット①長期間、解約できない

学資保険は一度加入すると数年~十数年解約できません。その間に解約しようとすると、解約違約金が発生して支払った金額を割り込む可能性さえあります。

子供が成長するまで(契約満了まで)長い期間があります。その間に不測の事態が起こる可能性は少なからずあります。その時にお金が無くて解約してしまったら、何のために積み立てていたのか?という話になります。

デメリット②毎月の保険料払いが負担に

契約者の年齢や期間などの契約内容にもよりますが、毎月1万円程度は保険料を支払う必要があります。お子さんが生まれたら、生命保険や医療保険、あるいはマイホーム購入を検討する世帯も多いのではないでしょうか?

ただでさえ月々の固定費が高額になる可能性がある上に学資保険も加わると家計を圧迫します。特にそれまで奥さんと共働きだった場合は収入が減って支出が増えるという悪循環にもなりかねないため、要注意です。

*だから学資保険を止めよう、というわけではなくて、生命保険等についても本当に必要か?無駄な保障をつけていないか?等をしっかり確認してもらえればと思います。

デメリット③保険料率は高くない

筆者個人として最も気になるのはこの保険料率です。保険料を満額まで支払った時に受け取れる金額は、契約時の利率で固定されます。金利の高い時だと良かったかもしれませんが、本執筆時点の2016年では低金利です。そして支払った保険料に対して受け取れる金額は決して高くありません。

例えば15年間の支払いで保険料250万に対して300万円が受け取れる場合、受取率は120%です(ほとんどの契約は、これより低いですが)。一見すると利率が高く思うかもしれませんが、冷静に計算すると違った側面が出てきます。

・年率計算:+1.3%(差率20%÷15年=約1.3%)
・年毎の金額:+3.4万円(差額50万÷15年=約3.4万)

上記の例は銀行預金と比較すれば確かに高い利率ですが、金額で見ると年3.4万円の増加、月々で換算すると3千円足らずです。この金額のために、15年間お金を引き出せない(引き出したら違約金の可能性あり)という事に対して皆さんはどう考えるでしょうか?

多くの家庭にとって3千円の出費見直しはさほど難しくないと思います(飲み会を1回遠慮すれば元が取れるレベルですから、学資保険の加入を考える余裕のある世帯なら問題ないと考えています)。実際にはほとんどの保険は利率を年換算すると今回の事例より低いですから、事前にしっかり金額を計算しましょう。

デメリット④そもそも元本割れの可能性もある

契約内容に特約を付けた場合、元本割れとなる可能性があることをご存知でしょうか?特約には親や子供の死亡、病気に備えるといった内容がありますがこの特約における保険料は通常、掛け捨てです。この場合だと良くて払い込んだ保険料と同額の受取金、ほとんどは保険料を割り込んでしまいます。

万一に備えているからしょうがない、と思われるかもしれませんが、そもそも学資保険は「子供の教育費」に備えるための保険ではないでしょうか?万一に備えるなら生命保険の方が保険料と保障内容の比率で考えると軍配が上がる商品は多くあります(勧めるつもりはありませんが)。保険と貯蓄の両立は厳しいことは覚えておきましょう。

デメリット⑤インフレに弱い

インフレとは物の価値が上がり、お金の価値が下がることを意味します。例えば100円で買えた物が、120円出さないと買えなくなる、といった状況です。学資保険は契約時に満額の受取額が決まっているため、インフレになると結果的にマイナスとなる可能性があります。

逆にデフレだと物の価値が下がって、お金の価値が上がるためメリットはありますが、今後どうなるかは分かりません。利用するならインフレ時にどうするかも考える必要があります。



関連するキーワード

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

更新情報をtwitterで受け取る

更新情報をpush通知で受け取る

関連するまとめ

最近よく聞く個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは何か?

最近よく目にするようになったiDeCo(イデコ)ですが、何のことか知っていますか?年金?投資?自分たちの老後…

ReilyLady / 5224 view

主婦におすすめ!貯金をするために家計の出費を抑える節約術8選

家族が増えると出費はかさむものですが、ほんの少し工夫するだけでも、節約に繋げることはできます。 今回は、貯金…

HF-LIFE / 7015 view

意外と便利!?マイナンバーのメリットを詳しく解説!

平成28年1月から始まったマイナンバー制度。通知が届き始めた頃はたびたび話題にあがっていたものの、「何のため…

midori / 4839 view

【家計の不安解消】ライププランの立て方まとめ

結婚して子どもが生まれる、今後の家計がなんだか不安。多くの人が抱くその不安は将来の見通しがうまくできていない…

nana2boys / 9987 view

実際はどこまで必要なの?損害保険の種類と必要性について

そろそろ保険の加入を考えようと思っている方も多いのではないでしょうか?でも、一言で保険と言ってもたくさんあっ…

ReilyLady / 5411 view

利用しないともったいない!私的年金の1つ「確定拠出年金」4つのメリット

ここ数年、「貯蓄から投資へ」というフレーズを耳にすることが増えました。 少子高齢化が進む今、預貯金や国の年金…

いっち / 5265 view

もう計画は立てられていますか?一人の子どもの出産から大学卒業までの総費用はなんと3,…

子どもが出来てからは、ライフプランをちゃんと考えないとまずいと感じますよね(;´Д`A

Erisa-no1 / 6233 view

高い保険への加入は必要なし?生命保険の賢い選び方5つ

家族がいると、保障を少しでも多くつけておきたいと考えるがために、必要以上に高い保険をかけてしまっていませんか…

HF-LIFE / 4672 view

【新居購入】本当にかかる総額は目に見えない?!家を買う時にかかる5つの費用

人生の一大イベントである家の購入。実は、購入までにかかる金額は家の代金だけではないことはご存知ですか?家購入…

nana2boys / 12234 view

一人暮らし、貯金0円だからこそ!今から始める節約術

一人暮らしだと全然貯金が出来ない…確かに実家暮らしと違いお金がかかりますが、それでもいくつかのポイントを見直…

いっち / 7208 view

いっち

閲覧、ありがとうございます!

仕事一筋でしたが、最近ようやく家族について考えるようになりました。
拙い部分も多いと思いますが、どうかよろしくお願いします。

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

Facebookページ

フォローして新情報をチェック

twitterをフォロー

フォローして新情報をチェック