昼夜を問わず尿の回数が多く、急な尿意を我慢できないなどの症状が特徴です。
間質性膀胱炎は排尿痛ではなく、尿がたまったときに強い痛みを感じます。

原因

一般的な膀胱炎とは異なり、細菌によって引き起こされるものではありません。
原因不明の炎症によって引き起こされる膀胱炎です。

はっきりした原因は不明です。何らかの理由により尿が膀胱に浸み込みやすくなっていること、膀胱の間質とよばれる部分に炎症細胞やもろい血管がたくさんみられること、膀胱尿道に関係する神経が過剰に活動していること、などが確認されています。自己免疫(体の抵抗力)や感染(細菌による膀胱炎)、膀胱の虚血、尿中の毒性物質などが複雑に関連して病気の原因となっている可能性も想定されています。

症状

間質性膀胱炎の主な症状は頻尿、尿意切迫感です。そして、排尿を我慢すると、膀胱に痛みや不快を感じます。

病気が進行すると膀胱が委縮して小さく硬くなってしまうこともあるそうです。

膀胱炎の症状があるのに尿自体は綺麗で細菌感染もしていないということから医療者の中でも稀な病気として扱われることが少なくないようです。そのため発症から診断までに数年かかったという例もあります。

治療

原因がよくわかっておらず、細菌起因ではないため薬剤も効果はありません。
そのため完治が目的ではなく症状の緩和などを目標に治療が進められます。

水圧拡張
萎縮した膀胱を水圧で拡張する方法です。麻酔をして行います。治療の中心であり、診断にも有用です。治療効果が長続きせず、再び水圧拡張を必要とすることもあります。

薬物療法
現在日本で入手できる薬剤のなかでは、抗うつ薬(特に塩酸イミプラミンが痛みの緩和に有効)、抗ヒスタミン剤などが使われています。また、抗アレルギー剤の一種であるトシル酸スプラタストが有効ではと期待が持たれています。
膀胱内注入療法(膀胱の中に薬剤をいれること)
抗凝固剤であるヘパリンや局所麻酔薬である塩酸リドカインを膀胱内に注入することがあります。ただし膀胱内注入療法単独の治療効果はそれほど大きいものではなく、また持続期間もそれほど長くありません。通常は水圧拡張の効果を持続させるための補助的な治療として、1-4週間くらいの間隔で外来で定期的に行います。

膀胱拡大術、膀胱摘出術
他の治療法ではなかなか効果が上がらず、症状が強い方に対して、腸管を用いて膀胱を大きくしたり、あるいは膀胱そのものを摘出したりする場合もあります。しかし、術後も痛みが続いたとの報告もあり、手術には、慎重な検討が必要です。

膀胱訓練
自分でできる水圧拡張です。かなり有効であるといわれています。トイレに行きたいと思ったらほんの少し我慢してみて排尿の間隔をのばしていきます。排尿日誌をつけながらおこなうと効果的です。

また、特定の食べ物で症状が悪化する例もあるとのことなので、そういった食材を避けるのもまた一つの方法として考えられています。

一般的に、熟成チーズ(チェダーチーズなど)、赤ワイン、大豆など神経伝達物質を含むもの、柑橘類や炭酸飲料など酸性が強いもの、わさびや唐辛子、こしょうなどの香辛料、コーヒーなどカフェインの多く含まれているものを食べた後に痛みが強くなることが多いようです。

他には十分に水分を摂ることと、ストレスをためにくい環境に整えることも症状改善方法の一つです。

一度発症すると何度も繰り返すことも多く、発症してしまった場合にはその後の再発防止のためのケアも必要となってきます。
トイレをなるべく我慢しない、水分を多く摂り日々の健康に気を遣うことが大切です。
異変を感じたらすぐにでも泌尿器科・クリニックへと足を運んでみてくださいね。



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健康や美容、グルメが気になる30代主婦です。

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