PTA突撃インタビュー第1弾『「役員なんてやりたくない!」が「やってよかった」になった理由』
「できることならやりたくない」「今年もなんとか選ばれずに済んだ」役員になる=運が悪かった、といわれることの多いPTA役員。毎年、選出時期には胃が痛くなりながら学校へと向かっている方も多いのではないでしょうか?「なんで私が……」と思いながら始めたPTA役員の方々が、任期が終わる頃には「やってよかった!」と自信をもって言えるようになったと語るママたちがいると聞き、話を伺ってきました!
最初はイヤイヤスタートした役員活動。
それでも、“フツウ”のママであるみなさんは、「やるからにはちゃんとやろう」と1つ1つの活動に真剣に取り組んでいったそうです。
そこには、効率化を図った新システムの導入もプラスの影響を及ぼしているとは思いますが、何より大切なのは、「前向きに取り組む姿勢」だったようです。
たとえば、交通対という地域の団体の1つに派遣された岡崎さんは、活動を通して「“何もできない”と思った自分に役割を与えられたような気がして『ここにいていいんだ』というような安心感も生まれていました。ほめてもらえて、『自分にもできた』という自信がもてたことも大きかったです。」と語っています。
平成27年度に役員になった船戸さんも、「勉強が得意ではなかったので、『私には何もできない』と思い込んでいて、『“できる人”におまかせ』と思ってきました。でも、役員を一生懸命やってみて、『こういうやり方があるんだ』ということにたくさん気がつけました、役員としての活動を一言で表すなら『勉強になった』です。」
また、2年間副会長を務めた安藤さんからは、「私たちのPTAでは、役員を1回でもやれば、委員(役員以外のPTAの役割)もやらなくて済み、そこが“売り”でもあります。でも、今回ここに集まっているメンバーはみんな役員や委員に残っているんですよね。『やると得られるものがある』と知っているから、免除なのに、やってくれる人はいるんです。」
子ども抜きでも“仲間”という意識が芽生えたり、役員活動を通して「自分が本当にやりたかったこと」が見えてきたり、さまざまな思いもよらない派生効果も生まれているそうです。
平成28年度も役員を続けている山下さんは「子どもたちのためにPTAをやるんだけど、実は『自分自身の成長に気がつける』。
それは、やらされているからではなく自発的に活動できているからだと思います。」とおっしゃっていました。
PTA役員活動は「やる気にみなぎった方だけでなく、“フツウ”の人が“フツウ”にできる程度のこと」。
背伸びしなくとも、いつもの自分でいながら、前向きに1つ1つの活動に取り組むことで、「自分の良さを発見できる」ものだということが、今回インタビューしてみてヒシヒシと伝わってきました。
これまでもっていたPTAへのマイナスイメージがキレイに浄化されていく、そんな感覚すらありました。
■野々垣会長という存在
新システムとして、LINEやサイボウズの導入などを推し進めたのは、今回お話を伺った方々が役員をやられた平成26・27年度の会長である野々垣さんです。
確かに、他の方は、いわゆる“フツウ”のママばかりのなか、野々垣さんだけは少し違うように感じられました。
平成26年度の役員を決める決定会議のときに、野々垣さんはすでに25年度も役員をやられていて、次年度に「会長をやる」と公言されていました。
本来であれば、次期会長候補である野々垣さんが先頭に立ち、役員決定を促すのが一般的です。
しかし、野々垣さんは冒頭で「お母さんたちが(役員をやっている)姿を見せるのは、子どもたちにもいい影響がある」というような話をして、「じゃ、子どもの受験のお迎えにいくんで!」と帰ってしまったそう。
仕事もする傍ら、役員もして、もちろん家事・育児もこなす野々垣さんらしい一幕だったと、当時を振り返る今は、みなさん納得の行動だったですが、「そのときはビックリした」という声ばかり。
その頃から、野々垣さんは改革の必要性を説いていたそうで、“仕方なしに嫌だけど”副会長に手を挙げた安藤さんは、役員をやりたくはないものの「会長をすると言っていてすばらしいビジョンをもっている野々垣さんをサポートしようという人がどうして誰もいないんだろう」とモヤモヤしていたそうです。
それもあって、手を挙げたという本音もあったとか。
“イヤイヤながらも”役員になったメンバーが多数いるなかで始まった平成26年度には、野々垣さんが役員ではない保護者の方々に向けてPTA活動について語り続け、マイナスイメージを払拭するために発信し続けていったそうです。
その成果もあって、27年度の役員候補者は全員が「◯」をつけたクジ引きなしの選出となり、「“イヤな緊張感”のなかで、決まる“イヤな役員”」ではなく、「やりたい!と思ってやる役員」という、いい循環ができています。
野々垣さんが“改革を推し進めたすごい人”であることに間違いはありませんが、話を伺っていると、「安藤さんがいてくれたから私はまたやろうと思えた(岡崎さん)」と、野々垣さんだけがリーダーシップを発揮してグイグイ引っ張っていった、というわけではない様子も見えてきました。
1人のすごい人がいたから改革ができたのではなく、いわゆる“フツウ”のママたちが一生懸命時代に合わせて改革をして、前向きに取り組んでいったら、「やってよかった」と思える活動ができた、ということが感じられます。
野々垣さんがしてきたことも、実は「やろう」と決意をして、ブレずに進めていく気持ちをもっていれば誰にでもできることなのではないでしょうか?
気持ちを強くもち、ブレずに進めていくこと自体が大変なことではありますが、それは結果的に自分も周りもラクに、ハッピーになることでもあります。
最初に声を上げた“野々垣さん”はどんな方でどんな想いをもっているのでしょうか。野々垣さん独占インタビューは、第2弾にてご紹介します!
■まとめ
「役員なんてやりたくない」。
多くのPTAに関わる方が抱く想いだと思います。
しかし、「前年踏襲で、何事もなく過ごせればいい」と後ろ向きに取り組むのではなく、前向きに「もっとよくするにはどうしたらいいだろう」と考えていく“楽しさ”を味わえるのは“役員活動”に積極的に取り組んだ人の特権です。
仕事をもつ人も、事情があって家をなかなか空けられない人も、小さな子どもがいる人も、みんなが“自分のできることをできる範囲で”やれるような仕組みさえあれば、どんな人でも活動に積極的に参加できるようになるということが今回のインタビューで見えてきました。
まずは前向きに取り組む姿勢をもち、1人1人が自分でもできるように仕組みを変えてムダを省くようなプチ改革をしてみると、全体の流れも変わっていくのではないでしょうか。
PTAの役員活動の見方を変えて、生き生きと過ごしていきませんか?
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イラスト:ヤマシタナホ