「私は盗ってはいません」と言い張るのは逆効果です。そんな時こそ、「何かお困りですか?」「それは困りましたね、一緒に捜しましょう」と、柔軟な態度で対応すると、認知症の人は落ち着きを取り戻します。

お財布や通帳など大事なものをどこへ置いたか忘れてしまい
「誰かに盗られた」と思う、これが物盗られ妄想です。

多くは介護をしている家族やヘルパーさんに疑いの目を向け
「あの人が盗った」「お前が盗ったんだろう」
と自分や特定の誰かを指して言うこともあります。

「盗ってない」「あの人が盗るわけない」
と話しても効果はないので、誰が盗った盗らないはさておき
『一緒に探して、見つけさせる』ことが大切です。

すぐに発見できる場所やいつもと同じところにあるときでも
見つけるのは騒いでいる本人にしないと
「すぐに見つけたということはやっぱり盗ったんだ」となりかねません。

最後は「見つかったね、大丈夫だったね」と安心させてあげましょう。

◎徘徊しようとしたら無理に止めない

直接止めることは逆効果

動き回ったり外へ出たがったりしている方を直接止めようとしても逆効果です。

ご本人がどんな気持ちでいるのか、どこへ行こうとしているのかを聞いて下さい。
そして、「それは大変ですね」「心配ですね」と、まず切迫したご本人の気持ちに共感してあげることが大切です。

そのうえで、
「その服では外へ出られませんから、上に着る物を探しましょう」とか、
「食事を作るのでしたらお米や野菜を用意しましょう。それともここで作っていきますか?」
「会社に行くのに手ぶらではいけません。カバンを用意しますから、もっていく物を一緒に探して下さい」
というように声かけし、外出しないで済む用事に関心を向けてもらいましょう。

「子供さんは今日はクラブで遅いです」
「今日は日曜日で会社は休みです」
と言って、納得してもらえることもあります。それでも出て行かれる場合は、仕方ありません。しばらく徘徊につきあってあげて下さい。

それから、
「少し疲れました。お茶でも飲みましょう」とか、
「夜になってきましたから、今日はここで泊りましょう」、
または偶然会ったふりをして
「こんなところでお会いするなんて。ちょっと寄って行きませんか?」
と帰宅を促します。

まずは止めずに理由を聞いて共感する、
そして気をそらしてみてダメそうなら
一緒について行くか後ろからそっと見守るようについていきましょう。

◎否定はせずに受け止めて、気をそらしたり提案する

認知症患者の方は、
忘れてしまっているので聞いているほうからすると突飛な話でも
本人は本気で伝えてきています。

そのため、否定をしたり怒ってしまうと逆効果となり
感情だけが残って「あの人は怖い」「怒られる」と思ってしまいます。

身内であればあるほど、受け止めることが難しく
イライラしてしまいがちですが、まずは受け止める努力をしてみましょう。

その上で気をそらしたり、他の提案をしてみると
スムースにいくことが多いです。

普段は離れて生活をしていてたまに会ったときなど
咄嗟には気をそらすことを思い浮かべられないようなら
前もっていつも接している人にどんなことをしているのか
聞いておくと安心です。

認知症であっても人に頼られると嬉しいのは誰も同じです。
得意だったことなどについて質問を用意しておくと
長期記憶が刺激され、昔のような姿を垣間見ることもできるかもしれません。

まずは『否定はしない』ことを心掛けて接してみましょう!



この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

更新情報をtwitterで受け取る

更新情報をpush通知で受け取る

関連するまとめ

その接し方は間違っている?!認知症の方には普段の接し方は禁物

家族に認知症の方がいる場合、介護するならいつも通りの接し方をするのは間違いです。家族だからつい気兼ねなくいっ…

Freat52 / 4990 view

相続放棄をするうえで知っておくべき7つのポイント

家族が亡くなった後に発覚した借金…。相続したくないけど、しなくちゃいけないの?いえいえ、きちんと手続きすれば…

myia / 7870 view

【いざそのときが来ても慌てない!】介護のためのケアプランを知っておこう

介護がスタートする前にはケアプランというものを作成しなければなりません。介護を受ける人がどんなケアが必要で、…

nana2boys / 12162 view

【母の日のプレゼント】嫁が姑にあげる場合の注意点は何だろう?

5月の第二週の日曜日は母の日です。毎年この日が近づくと「プレゼントは何がいいのだろう…。」と悩み始める人はい…

ひらり / 5803 view

脳トレの効果あり!高齢者に塗り絵をオススメする理由

塗り絵を子どもの遊びと思っている人、いませんか? しかし、最近では大人向けの塗り絵があり、本格的に始める人が…

Grolia63 / 5328 view

便利な訪問介護サービスを賢く利用して家族の負担を減らそう

高齢化が進む日本で、避けて通れない介護の問題。慣れ親しんだ家で暮らしたいと、施設を嫌がる高齢者も少なくありま…

snowsnow / 6414 view

「親が突然の入院!?」いざという時あわてない準備5つ

「うちの親はまだ元気だから大丈夫!」と思っていませんか?子育て世代こそ準備をしておかないと、子の世話&親の看…

ひらり / 5548 view

葬儀は最後の親孝行。ご両親が元気なうちに話したい5つの事

「親の死」は必ず訪れます。 親が亡くなってから「もっとこうしていれば・・・」とならないよう、事前準備はしっか…

いっち / 5125 view

【これって実家依存症?!】イマ増えている実家離れができない妻とは?

イマ実家依存症の人が増えているといわれています。実家依存症とは結婚後も実家とべったり過ごし、夫や妻といるより…

nana2boys / 27674 view

お子さんが産まれて変わる、義実家との上手な付き合い方!

女性は産後義両親が苦手になってしまう…なんていう話も耳にしますが、色々と助けてもらったり教えてもらうことも多…

akimama / 10212 view

nana2boys

プロフィールの閲覧ありがとうございます!
2011・2013年生まれの2男児の育児に
日々追われるママです。
大学で乳幼児発達を専攻していたので
幼稚園教諭と保育士免許を持っています。
卒業後は幼稚園や保育園と企業のいいものをつなげる
お手伝いのようなお仕事をしていました。
子どもと楽しく、ママやパパがストレスを溜めずに
過ごせるような情報をまとめていきたいと思います♪
育児は十人十色、色々な方法や技を試して
それぞれのご家庭の「我が家の法則」を作っていく
サポートになれば嬉しいです!

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

Facebookページ

フォローして新情報をチェック

twitterをフォロー

フォローして新情報をチェック